【サッカー撮影機材】レンズ SONY SEL2470GM2

機材

私が初めて購入したSONY最高峰グレードであるGMレンズ、SEL2470GM2 24-70mm F2.8です。一度はGMレンズを使ってみたくて思い切って購入しました。まだまだ使い込めていませんが、レンズの概要と素人なりに使った感想を紹介いたします。

SEL2470GM2レンズの概要

マウントとは

SONYのカメラで使えるレンズはEマウント(フルサイズ完全対応はFEマウントとも言う)という規格です(旧規格としてAマウントもありますが、現在は発売されていません)。SONYはレンズ交換式カメラとしてイメージセンサーをAPSCとフルサイズの2種類で出していますが、いずれのセンサーのカメラでも使えます。ただ画角に制約が出ます。

AマウントとEマウント

・FEマウント・・・フルサイズイメージセンサーの全域をカバーする。35mm換算の焦点距離はレンズの焦点距離値そのまま。APSCイメージセンサーの全域をカバーするが、35mm換算の焦点距離はレンズの焦点距離値の約1.5倍になる(24mmなら約36mm)。
・Eマウントレンズ・・・フルサイズイメージセンサーのAPSC領域をカバーする。つまり画角がAPSCサイズにクロップ(小さく切り出し)される。APSCイメージセンサーでは全域をカバーする。35mm換算の焦点距離は、いずれのセンサーでもレンズの焦点距離値の約1.5倍になる。

SONYの3つのグレード

SONYで発売しているEマウントレンズは、3つのグレードに分かれています。最高級の「GM」、中級グレードの「G」、標準グレードの無印です。今回ご紹介するのは、もっとも一般的に使われる焦点距離24mm〜70mmをカバーしたGMグレードのズームレンズです。

SEL2470GM2の焦点距離

焦点距離とはレンズの中心点からイメージセンサーまでの距離です。これの長さによって撮影される画角(映す範囲)が変わるので、レンズを選択する上で重要な要素の一つです。50mmが人が普段見る視界の範囲と同じと言われているため、標準域とされています。また、これより広い(焦点距離としては短い)方が広角域、これより狭い(焦点距離としては長い)方が望遠域となります。

それぞれの用途としては
・標準域・・・比較的万能な画角で、人物(ポートレート)に向いています。またレンズ特有の歪みが最も少なく自然な写りになります。
・広角域・・・広い範囲を映せるので、景色や建物などを取り入れた撮影に向いています。広がりを感じる迫力のある写りになり、また動画の時は手ブレを軽減します。周辺はレンズの歪みの影響を受けます。
・望遠域・・・遠くの被写体を拡大して映せるので、野鳥や遠くの景色など近づけない被写体の撮影に向いています。圧縮効果と言って遠くまでの被写体を凝縮して映し出す効果が得られ、中央を起点に迫力のある映像となり、なおかつボケの効果も大きくなります。

このSEL2470GM2は24mm〜70mmと広域から標準域までカバーするので、景色を撮りながら近い距離の人物を撮るのに適しています。余程遠くの被写体を拡大して撮りたいということでなければ、これ一本で済ませられるので、「標準ズームレンズ」として定番のレンズです。

サッカーの撮影では、会場の雰囲気、試合前の選手たちの様子、フィールド外の練習などで利用可能です。またSuper35mmモードを使えば105mm相当まで望遠できるので、たいていの撮影はこれでまかなえます。

SEL2470GM2のF値

F(focal)値とは絞り値とも言われ、レンズ内の絞り羽を開閉してイメージセンサーに届く光を調節される範囲を示します。絞り羽を閉じた量に応じてF値が大きくなります。そのためF値が小さいほど明るく、大きいほど暗くなります。また届く光の範囲が変わるのでF値が大きいほどボケやすく、小さいほどボケにくくなります。さらにF値が大きいほどレンズの中心部分を使うようになるので一般的に解像感が上がり、高精細になります。

このレンズのF値はF2.8で比較的明るい部類に入り、夜などでも十分キレイに撮れます。また適度なボケ感を得られやすいので、ボケを生かした印象的な写真を撮りやすいです。さらに焦点距離によってF値が変わることがなく全域でF2.8なので、どの焦点距離でも一定の明るさでボケやすい写真が撮れます。レンズによっては望遠側が大きなF値となることがあるのですが、それがないので特に動画でズームした時に一定の明るさを保ちやすいです。

SEL2470GM2の構造・スイッチ類

外形寸法は最大径87.8mmx長さ119.9mm、重さは695gなのでまあまあ重くかさばりますが、旧バージョンや他社の同等のレンズに比べると小さく軽い方です。ソニーのレンズは比較的小型軽量で作られているので、持ち運びや取り回しの面で有利と言えます。また重心がレンズ手前よりなので、スペックほど重さを感じません。

またズームする時にはレンズの胴を回すのですが、回しやすさを2段階で調節できます。普段は軽くズームできるようにしてスピーディに画角を変え、動画撮影中は重くして滑らかなズーム変更するなどの使い分けができ、便利です。

その他、AF/MF切り替えスイッチで瞬時にフォーカスを固定したり、カスタムスイッチで機能を割り当ててさまざまなシーンで手早い操作を機能させられたりできます。

SEL2470GM2の性能(AF速度、ブリージングなど)

新開発された機構・リニアモーターによって超高速なフォーカス合わせ、30枚/秒の高速連写(α1の場合)、高い被写体追従性を実現します。実際に撮影中でもほとんど迷いなくパッと切り替わる感覚は撮影していてストレスがありません。

このAF性能は動画撮影中に最も威力を発揮します。第一にフォーカス追従性能が非常に高く被写体にピントを合わせ続けます。第二にフォーカスレンズが動いた時にも静粛性が保たれ音声への影響がほとんどありません。第三に手ぶれ補正が強力で歩きながらでもジンバルを装着したかのようなブレのない映像が撮れます。第四にズーム操作時の軸ブレや、ブリージングというフォーカス位置の変化に伴う画角の変化が極力抑えられているので、安定して滑らかな映像になります。

これらはSONY純正レンズならではの性能で他社には追いつけない領域だと思います。

SEL2470GM2の購入に至るまでの経緯と、決意の理由

このレンズを導入する前にはTAMRONの標準ズームレンズTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (A063)を使用していました。こちらも非常に優秀なレンズで最初に写真を撮った時は感動を覚えました。しかしサッカーの練習シーンですと歩きながら動画を撮影することも多いのですが、その時の手ブレがとても大きいです。SONYカメラに備わっている手ぶれ補正のアクティブモードを使っても、そのまま使うのはちょっと厳しい感じでした。

いろいろ調べた結果、SONY純正レンズはアクティブモードの補正がより強力になるということが分かり、SONY純正の標準レンズに乗り換えることにしました。なお写真やしっかり固定した動画であれば、TAMRONレンズでも全く問題ないと思います。

SONY純正レンズでも標準ズームの種類はいくつかあるのですが、まだ最高峰グレードのGMレンズを所持していなかったのでGMレンズがほしい時期でもありました。理由はGMならではの画質性能を体感したかったためです。単焦点のGMの方が画質的にはより高いので、標準ズームはそこそこのグレードにして、GMグレードは単焦点で導入するということも考えました。しかし実際のところそこまで単焦点を使っていなかったので、両方実現するGMの標準ズームレンズを導入することに決めました。

SEL2470GM2の主な使い方

前述した通り、イベントの初めに会場の雰囲気を掴むために景色やモノ撮りをします。また練習前の選手のポートレート写真を撮ったり、試合前の練習を近距離から動画撮影したりしています。ジンバルは使わず、手持ちでそこそこ手ブレのない動画を撮れるようになったのは大きいです。

今のところレンズの性能に頼り切って使っている感じです。正直まだ全然使いこなせていないと思うので、もう少し使い込んだらここに追記していきます。

SEL2470GM2に対する感想とまとめ

私としては画質や性能に関しては言うことがなく、ほとんどの人にとっても不満が出ることは少ないと思います。普段使いだとやはりちょっと大きく思いですが、撮るぞっという心構えのシーンでは一日疲れなく使いこなせます。そしてこれ以上はないという最高峰のGMグレードを所有できたことにも満足しています。

本機は、GMグレードを試してみたい、標準ズームレンズで一通りのシーン(遠くの被写体除く)をレンズ交換無しでカバーしたい、性能に妥協したくない、動画の手ぶれ補正を極力抑えたいという欲求をお持ちの方にとって導入を検討して良いレンズだと思います。

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