サッカー試合の撮影で、どの位置から撮るべきか迷ったことはありませんか?ビデオカメラで全体を記録する場合と、一瞬のプレーを切り取る写真撮影では、適した撮影ポイントやカメラ設定が異なります。
多くの方は、自分の子どもがいるチームの応援席から撮影していることが多いでしょう。しかし、それだけでは試合の全貌や迫力が伝わりにくいこともあります。今回の記事では、私自身の撮影経験をもとに、「撮影位置」「カメラの高さ」「画角」を工夫することで得られる効果や、満足度の高い映像を撮るためのノウハウをご紹介します。試合映像や写真に物足りなさを感じている方、必見です!
試合撮影の基本|「位置とアングル」で変わる映像の魅力
撮影者がフィールドにいる位置やカメラを向けるアングルを変えると、捉えられる範囲や選手の向きが変わります。どういった範囲を捉えたいか、選手をおもにどの向きで捉えたいかで選ぶとよいです。
タッチライン中央からの撮影
どちらのチームも平均的に撮影できる無難な位置です。ハーフラインからどちらかのフィールドに寄った選手たちを撮影する場合は攻撃側チームは背面、守備側チームは正面を撮影することになりやすいです。
ゲームの流れを追いつつ、応援しているチームの選手の表情もある程度捉えやすいので、さまざまなニーズにほどよく対応できます。私が記録映像を撮影している時はほぼこの位置で撮影していました。
タッチライン中央とゴールラインの間(おもに選手席の反対側)からの撮影
図の上方に選手たちが座るベンチがあるとすると、下側は観戦場所になることが多いのですが、その付近で撮影する位置です。前半と後半で選手たちが攻めるゴールが変わるので、撮影の向きも変わります。
タッチライン中央よりゴールに近い付近で撮影するので、その付近でシュートなどした場合は迫力のある映像になります。うまくいけば選手の表情も捉えることができます。自チームが攻めているゴールであれば、自チームの攻撃、そうでなければ守備やゴールキーパーの動きを間近に捉えられます。
私も初期はこの位置で撮影していましたが、観客の声もかなり入ってしまうので良し悪しなところがありました。特に激しい声援の人から「消しといてくれないか」と言われたこともあります・・・。なお青い方は副審がカメラの前を横切ることが多いので注意が必要です。
コーナー付近からの撮影
アングルをほぼ固定してフィールド全体を俯瞰的に捉えることができます。おもに置きっぱなしで撮影する場合に向いています。
遠くに選手がいる場合はかなり小さくなるのでズーム固定だとかなり小さくなってしまいます。観戦場所の制約がある場合にこの位置で撮影することがありました。ズームを使っても遠くはどうしても小さくなるので、制約がなければこの場所で撮影することはなかったです。
ただ撮りたいチームが攻めるゴール側のコーナーは選手たちの顔を捉えやすいです。また逆サイドのゴールライン付近は人も少ないので背景がスッキリすることが多く、背景までの距離もあるでボケやすく選手たちが際立ちます。400mm以上の焦点距離の望遠レンズをお持ちであれば逆にオススメでき、最近は私もこの付近で撮影することが多くなりました。
番外編:選手席付近やゴール裏からの撮影
選手席付近は観戦場所で撮影する状況に近いですが、応援者の声が入らない代わりにコーチや選手の声はよく入ります。ただコーチでない限り、この場所で撮影することは難しいです。自チーム開催の練習試合とかであれば可能です。
また青い方は副審がいるとやはりカメラの前を横切りますので、注意が必要です。ゴール裏(黒い部分)はキーパー目線の迫力のある映像が捉えられます。特に自チームがシュートした時は盛り上がります。しかし一般的にゴール裏は選手のプレーの妨げになるので、禁止されることも多いです。あまり離れすぎるとほとんどのシーンが小さくなるのでオススメできません。
ただし「コーナー付近からの撮影」でも書いたように、選手を引き立てて撮影するポイントでもあります。ゴールの真裏ではなく、コーナー寄りのゴールライン側が許されるのであれば良い撮影ポイントです。
試合撮影の基本|「高さ」が映像に与える影響
高さを変えると映像の雰囲気が変わります。捉えたい高さにあった機材を準備する必要がありますが、こだわりたい場合は試す価値はあると思います。
腰の高さからの撮影
選手に対して腰から胸のあたりの高さを捉えることになります。このため足回りなど動きがよく見えて、なおかつ威圧感が増すので、迫力のある映像になります。
逆に試合の状況は少しわかりにくいかもしれません。撮影者は低い椅子に座って三脚を操すれば、比較的ラクに撮影できます。私は長丁場で疲れそうな時はこの体勢で撮影することがありました。
顔の高さからの撮影
選手に対して顔や頭上のあたりの高さを捉えることになります。比較的標準的な映像で、選手の表情、体の動き、試合の全体的な流れなどを平均的に捉えることができます。撮影者は立った状態で手持ちか三脚で撮影するので、長時間は少し疲れます。私の場合、ほぼこの高さで撮影していました。
バードビュー(2メートル以上の高さ)からの撮影
選手よりかなり高い位置から頭上を捉えることになります。選手同士の位置関係や動きが把握しやすくなり、試合の全体的な流れもよくわかります。戦略的な観点で見たい場合に適しています。
通常より長い三脚か専用の一脚を利用して撮影しますので、撮影者にはテクニックが求められます。カメラのモニターを直接近くで見ることができず、なおかつ高さを維持して必要に応じて向きを変えなくてはなりません。
私はやったことがなく、他にやっている人も数える程度しか見たことはありません。サッカー中継の映像に近いので、サッカーにこだわりのある人はこういった映像で見てみたいのかもしれませんね。
試合撮影の基本|「画角・焦点距離・ズーム」の選び方
カメラをどの範囲まで捉えるかについてです。観点としては「高さを変える」に近いかもしれません。
サッカーフィールド全体の撮影
試合の全体の流れを掴むのに適しています。しかし選手自体はどうしても小さくなるので、表情や体の動きなどは把握しにくいです。定点で撮影操作が不要なので、たまにコーチがこの方法で撮影しているのを見たことがあります。
サッカーフィールド半分の撮影
フィールド全体に近いですが、少し選手を捉えやすくなります。カメラは2台設置するか、ゆったりと動かす感じになります。ゆっくり動かすので選手の急な動きをしても画角に収まっており、カメラの動きも安定しているので、見た人は安心して見ていられるかもしれません。ただ選手の表情や体の動きは小さい画面だとわかりにくいでしょう。
選手数名分の撮影
ボールを追いかけるように近くの選手を常に捉えますので、視野角が狭くなり、その場で集中して見ている感じに近い映像になります。選手の表情や動きもよくわかり、迫力のある映像になります。
一方でずっと近い位置で撮影していると試合の流れや他の選手との位置関係がわかりずらく、また撮影者はずっと追いかけることになるので少し疲れます。またうっかりしていると急に選手が移動した時に枠外になってしまいます。
私が撮影している時は状況に応じて少し広くしたり近づいたりして画角に変化をつけていました。こうするとメリハリのある映像になります。
【番外編】シーンによる変化
直前で述べた通り、試合の状況に応じてズーミングして画角を変えるとメリハリのある映像になります。具体的にはシュートを決めた後の選手の動きはほぼ決まっており、他の選手を捉える必要はあまりないので、その選手をズームアップして撮影すると喜びある場面を表現できます。
試合撮影の基本のまとめ|ベストな位置を見つけよう
いかがでしたか?この記事を通じて、あなたにとってのベストな撮影位置を考えるヒントが見つかったでしょうか。大切なのは、観る人がどのような映像を求めているのかを意識しながら、機材や撮影環境、そしてご自身の状況に合わせて工夫することです。
初めての試みでも失敗を恐れず、さまざまな位置や方法で撮影を試してみてください。その過程で得られる経験が、きっとあなたらしい映像作りのスタイルを確立する助けになるはずです。ぜひ試合撮影を楽しみながら、自分に最適なポジションを見つけてください!
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