今回、念願の新しいレンズ、SONY SEL85F18を手に入れましたのでレビューします!一般的にはポートレートレンズとして価格の割に評価の高い中望遠単焦点レンズです。
しかし、私はこのレンズを「少年サッカーの撮影」という用途で導入してみました。なぜこのレンズを選んだのか、実際に使ってみてどうだったのかを、作例を交えながら詳しくご紹介します。
SONY SEL85F18の基本スペックと注目ポイントをレビュー



まずはSEL85F18の基本的なスペックを簡単にご紹介します。
- 焦点距離: 85mm(フルサイズ)
- 開放F値: F1.8
- 重さ: 約371g
- マウント: ソニーEマウント
- 対応フォーマット: フルサイズ(APS-C機では約128mm相当)
ソニーのラインナップの中では“ベーシック”な位置づけとされています。しかし、その描写力は「ベーシックとは思えない」と評判が高いです。また、コストパフォーマンスに優れた一本として人気を集めています。軽量でコンパクトな設計も、機動性が求められるスポーツ撮影において大きなメリットとなります。
なお、こちらの詳細については、以下のソニーの公式サイトをご参照いただくのが最適です。

購入の背景と理由
なぜSEL85F18を選んだのか?少年サッカー撮影における課題と解決策
私がこのレンズを購入した主な理由。それは、「ボケ味を活かして印象的な写真を撮りたい」という強い思いがあったからです。
少年サッカーの試合では、選手の背後にベンチや保護者、他の子どもたちなどが写り込みやすいです。そのため、背景がごちゃごちゃしてしまいがちです。特に開放F値が高いズームレンズでは、なかなか背景をきれいに整理できません。そのため、肝心の選手の表情も背景に埋もれてしまうことが多々ありました。
普段使っているTAMROM 50-400mmの望遠レンズは、とても使い勝手の良いレンズなのです。しかし、F4.5-6.3と背景をぼかすにはテクニックが必要です。このレンズについてはこちらの記事で紹介していますので、よろしければご覧ください!


そこで目をつけたのが、開放F値F1.8の単焦点レンズです。F値が小さいことで被写界深度が浅くなり、背景を大きくぼかしやすくなります。これにより、被写体である選手をより際立たせ、印象的な写真が撮れるのではないか?そう考えたのです。背景が整理されることで、選手の躍動感や表情にグッと注目が集まります。
また、実は私自身、これまであまり単焦点レンズを使った経験がありませんでした。そして、「単焦点レンズならではの画角の制限の中で、どのように被写体を捉えるか」という点にも個人的な興味がありました。写真表現の幅を広げたいという挑戦でもありました。
SEL85F18の使い勝手と距離感:少年サッカーでの実践レビュー

実際にグラウンドで使ってみて感じたのは、このレンズの「使い勝手と独特の距離感」です。
中望遠レンズということもあり、被写体となる選手との距離は5〜10mくらいが最も良い印象です。特にAPS-Cモードに切り替えると焦点距離が約128mm相当になります。そのため、より被写体を引き寄せて撮影できます。ソニーのボディであればモード切り替えも瞬時に行えます。るため、状況に応じて画角を調整しやすいのは好印象でした。


しかし、単焦点レンズゆえの制約もあります。例えば、選手が近くにいる場合、広角側の画角がないため、自分がかなり下がらないと全身をフレームに収めることができません。これは、「撮ってー!」と駆け寄ってくる元気な子どもたちを撮る際には少し不便に感じる点です。



一方で、この距離感がメリットになることもあります。子どもたちに気づかれずに自然な表情を捉えたい時や、特定の選手を狙って撮りたい時には、適度な距離を保てるため、集中して撮影に臨めます。被写体にストレスを与えずに、ありのままの姿を切り取るのに最適だと感じました。
実例紹介:練習シーンや休憩中の活用術
動きの激しい試合中での使用は少々難易度が高いです。しかし、試合前の練習風景や休憩中の様子などでは、SEL85F18が大活躍しました。
シュート練習中の集中した表情を捉える
フィールド内に少し入り込むことができれば、シュート練習中の選手を迫力ある写真で捉えられます。F1.8の大きなボケ味が、選手の真剣な眼差しや集中力を際立たせてくれます。



※この撮影ではシャッタースピードを1/1000固定にしていたので、F4.0になっていました。F値をあげられるように設定に工夫が必要だと思います。
休憩中の自然な笑顔を引き出す
休憩中の子どもたちは、普段の練習や試合では見せないようなリラックスした表情を見せてくれます。このレンズの距離感とボケ感は、まさにその自然な表情を切り取るのにぴったりでした。背景がすっきりと整理されるため、子どもたちの笑顔がより印象的に写し出されます。
ただし、動き回る子どもたちを「ちょうどよく」フレーミングするには、ある程度の慣れと、時には割り切りも必要だと感じました。「ここぞ」という瞬間にシャッターを切る練習が重要になりますね。


まとめ:単焦点レンズは“ハマれば強いが万能ではない”
SEL85F18を少年サッカー撮影で使ってみて感じたのは、単焦点レンズは「ハマれば強いが、万能ではない」ということです。
立ち位置に制約があるため、動きの激しいサッカーのようなスポーツでは、常に最高のショットを狙うのは難しいのが現実です。ズームレンズのように瞬時に画角を変えられないため、「撮れ高」が限られる場面も出てきます。
そのため、私の結論としては、SEL85F18は試合中よりも、決まったシーン(練習前、休憩中、整列時など)に狙いを定めて使うのがベストな選択だと感じました。特定の選手にフォーカスしたい時や、表情豊かなクローズアップショットを撮りたい時には、このレンズの描写力とボケ味が最大限に活かされます。
今後は、比較的フィールドが狭い低学年の試合撮影でも活用してみたいと考えています。高学年の大きなフィールドでの試合になると、やはり200〜300mm程度の望遠ズームレンズが必要になるでしょう。
SEL85F18は、被写体とじっくり向き合い、その一瞬を切り取る喜びを教えてくれるレンズです。このレンズを通して、これからも少年サッカーの魅力を写真で伝えていきたいと思います。


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