少年サッカーの大会が一日を通して開催される場合、応援しているチームの試合の合間が長くなることがあります。低学年は試合時間が短いのでそれほどでもありませんが、中学年以上だったり、大きな大会になると1〜2時間待ち、長い時は3時間待ちということもあります。
1時間程度ならまだしも、それ以上だと結構時間を持て余しますよね。そういう時にどう過ごせばよいか、私のカメラマンとしての経験を元にご紹介します。撮影チャンスを逃さず、写真の素材の見つけるアイデアをぜひ参考にしてください。
サッカーのイベント進行と空き時間の特徴から写真の素材を探す
あらためてサッカーのイベントの種類とそのタイムスケジュールについて整理します。どういう状況になるかをあらかじめ知っておくと対策が立てやすいです。
練習試合
交流戦とかトレーニングマッチ(TM)という言い方もしますがどれもだいたい同じで、要は選手の強化練習を目的とした試合の連続です。この場合は2,3チームでの対戦の繰り返しなのであまり試合の合間の時間は長くありません。せいぜい20〜30分程度のことが多いです。逆に2チームだとずっと試合しているので合間がなく、カメラマンとしては試合中でも休んでおく必要がでてきます。よってここでは割愛します。
クラブチームの招待試合・地区内のサッカー杯
この催しだとだいたい4〜8チームくらいの規模になります。また会場によってはフィールドが2面以上となります。チーム数が多く、フィールドが1つで中学年以上となると1〜2時間空くことになります。またフィールドが多くても、イベントの終盤は決勝戦などで参加チームが絞り込まれてくるので長くなることもあります。
サッカー連盟の公式試合
一定の期間の複数日程で開催されます。1日に多くても1チーム2試合でもともとの試合時間が長いこともあり、試合間隔は結構空きます。1試合だいたい50〜60分として、2試合空くと約2時間です。
サッカー写真の素材を狙うカメラマンが意識すべき背景
試合の合間は、カメラマンにとってただの休憩時間ではなく、重要な「観察と準備の時間」です。選手やチームが見せる一瞬一瞬が、写真素材として大きな価値を持つからです。この背景を理解し、試合の合間にどんな視点で現場を捉えるべきかを考えてみましょう。
サッカーの試合の合間は「日常」と「非日常」の交差点
試合中とは異なり、選手たちはリラックスした表情や自然な動きを見せる時間です。同時に、次の試合に向けた準備や緊張感が垣間見えることもあります。このような「日常と非日常が交差する瞬間」を捉えることで、より多面的なサッカーの魅力を写真で伝えることができます。
カメラマン自身の目的意識が重要
カメラマンが撮影現場に来る目的に応じて、合間の行動は変わってきます。例えば、試合全体のストーリーを伝えるためには、選手の準備風景や観客の表情も重要な素材になります。一方で、特定の選手やプレーにフォーカスしたい場合、撮影の優先順位を明確にする必要があります。
試合外の素材がもたらす映像全体のアクセント
試合中の迫力あるシーンは映像や写真の中心となりますが、試合外の素材はその背景を補強する役割を果たします。選手がリラックスしている姿や観客の様子、会場の雰囲気を写し取ることで、より立体的で記憶に残る作品が完成します。この意識を持つことで、素材の選び方に対する視点が広がります。
現場で生まれる一体感を捉える価値
試合の合間には、選手同士やコーチとのコミュニケーションが多く行われます。こうした場面は、チームの絆や一体感を示す重要な要素です。これらを素材として記録しておくと、試合の中だけでは表現しきれないチームの姿を伝えることができます。
サッカー写真の素材を増やすカメラマンの行動とは?
サッカー撮影を10年以上続けてきた経験から、試合の合間にカメラマンができるおすすめの行動をご紹介します。試合中の迫力ある写真だけでなく、合間に撮影する素材も、映像や写真の完成度を高める重要な要素です。
サッカー練習の撮影で違った表情を狙う
試合の合間には、ウォームアップやリラックスを目的とした軽い練習が行われることがあります。このような時間に撮影すると、選手たちの普段と少し違う自然な表情や仕草を捉えることができます。特に試合前の撮影が不十分だった場合は、補完する機会にもなります。また、遊びに近い練習風景では、選手たちの笑顔や個性が引き立つ写真が期待できます。
コーチの指導風景を素材として押さえる
試合前後に行われるコーチの話し合いは、チームの緊張感や一体感を映し出す貴重なシーンです。選手たちが真剣に耳を傾ける様子は、試合の流れやストーリーを補完する映像素材として役立ちます。ただし、カメラが近すぎると選手が集中を欠く可能性があるため、視界に入らない位置や望遠を活用して撮影しましょう。
子どもたちの自然な姿を記録する
選手たちが話したり食事したり、遊んでいる時間は、リラックスした表情や自然な仕草を撮影できる絶好のチャンスです。
- 話し合い: サッカーに関する話題や遊びの話しなど、絵になる場面が多いです。自然な表情を引き出しやすい時間でもあります。
- 食事風景: 楽しく食事している様子は絵になりますが、無言で黙々と食べている場合は撮影を避けるのが無難です。
- 遊び: 特に低学年の選手たちが楽しんでいる様子は写真映えしやすいです。ただし、高学年になると遊びが減ったり激しい内容になる場合もあるため、選び方に注意が必要です。
会場周辺を散策し特徴を記録する
試合会場やその周辺には、素材として活用できる要素が多くあります。選手たちの使うボールやゴール、トロフィーなどはもちろん、季節を感じさせる風景や建物も良いアクセントになります。こうした静物の撮影は、様々な構図や設定を試す機会にもなるため、撮影技術の向上にも役立ちます。
撮影素材のチェックと整理
試合中は撮影した素材を確認する時間が取りづらいため、合間に写真や動画のチェックを行いましょう。設定ミスがないか確認したり、不要な写真を削除しておくことで、後の編集作業がスムーズになります。また、設定を微調整することで次の試合の撮影精度を上げることができます。
機材のメンテナンスを忘れずに
長時間の撮影では機材の状態を維持することも重要です。バッテリーの交換や充電、レンズの掃除、砂や水の拭き取りなどを行い、次の試合に向けて準備を整えましょう。これにより、機材トラブルを未然に防ぎ、安定した撮影が可能になります。
サッカー試合合間での写真の素材探しのまとめ
いかがだったでしょうか。サッカーの試合撮影では、試合中だけでなく合間の時間も大切な素材収集の機会です。今回の記事を参考に映像の幅を広げていただければと幸いです。
ただし、撮影ばかりに集中しすぎて疲れてしまうと、次の試合でのパフォーマンスが下がることもあります。適度に休憩を取りながら、リラックス時間を撮りましょう。また時には子どもたち、チームの関係者や親御さんとのんびり話して写真以外の話題を持つことも良いでしょう。私は付かず離れずくらいの関係性がちょうど良いと考えています。あまり気負いすぎることなく自分自身も楽しんで一日を過ごすことが、長く続けられるコツですよ!
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